Maison & Objet 2019 & Deco Off Paris レポート

今年の傾向を展示会からチェックしよう

M&O inspiration 2019 Excuse my French!
WHAT'S NEW? Decor by Elizabeth Leriche

2019年1月中旬にパリで開催された展示会「Maison & Objet Paris」と「Deco Off Paris 2019」に今年も取材で行ってまいりました。
Maison & Objet Parisのトレンドブーストして長年存在感と意義を示してきた「inspiration」ブースとトレンドブックからチェック。タイトルは「Excuse my French!」。4つの切り口からフランスのデザインの多様性と魅力を伝えています。このブースから得られるヒントは自国のデザインの再発見と再構築です。単に古き良きものを発掘するのではなく、時代が求める要素を掛け合わせ、最新のデザインに昇華してエンドユーザーに届けることの大切さ。ここで紹介された4つの切り口はそのまま日本のデザインに置き換えることが可能です。年々このトレンドブースの規模が縮小になっていることを危惧しつつ、今回は「WHAT'S NEW?」のコーナーが以前よりわかりやすく、充実したものとなっており少し安心しました。(ま、これもいつまで続くかわかりませんが...)中でも Elizabeth Lericheのセレクトブースは今回も秀逸。時代の空気感と情報の多さに感心します。特にMinimal Brutalistのコーナーでは「ブルータリズム(brutalism)建築」を知るきっかけに。数えきれないほど写真を撮りましたので、後々分析して各セミナーでご紹介したいと思います。

Deco Off Paris 2019では、トレンドセッターとしてのÉLITISの存在感が今年も圧倒的で、日本画や屏風絵からのインスピレーションと(しか思えない)思われるパノラミックデザインの壁紙に衝撃を受けました。(良いみでも悪い意味でも)。日本のメーカーやデザイナーはこれを見て悔しい!と思わねばいけないと思います。そして200周年を迎えたFISBAことChristian Fischbacher。1920年代のヨーロッパのサロンに迷い込んだかの様な空気をまとった美しくエレガントな商品群。PIERRE FREYでは最新トレンドの一つである少しレトロな花柄モチーフが溢れんばかりに。

世間ではジェンダーレスと言われながらも、ファッションでもインテリアでも女性らしい美しいデザインがこれだけ沢山新商品の中に展開されていることが誠に興味深いです。
時代はエレガントでしなやかな、それでいて言うべきことは言うそんな女性像に憧れているのでしょうか...?

Eriko Hosoi

WHAT'S NEW? Decor by Elizabeth Leriche
Deco Off Paris 2019 ÉLITIS
Deco Off Paris 2019 Christian Fischbacher
Deco Off Paris 2019 PIERRE FREY