IIDA主催「オランダ+フランダース デザイン勉強会 第2回 ファッション編」

アントワープの6人

ロビー

オランダで『デ・スティル(De Stijl』が創刊されてから100周年を迎え(現在は廃刊)、 オランダ国内はもちろんのこと、各地で「デ・スティル」や「ダッチ・デザイン」に関するイベントが開催されています。 そこでIIDA Japan Chapterでは、 2017〜2018年、約1年かけて「コンセプト」が明快なことで世界的にも知られる オランダ+フランダース地方の建築やインテリア、ファッションなどのデザインを総合的に学ぶ勉強会を発足ました。

マルタンマルジェラ

「アントウェルペン王立芸術学院」

1980年代初めに同時期に卒業しその後注目を浴びることになった彼らですが、そのデザインに共通はなくとも、それぞれが第一に「コンセプト」が大前提としてあり、そこを出発点としてモノそのものをデザインをしていくということを学び実践していました。そのやり方は当時新しく、アントウェルペン王立芸術学院の名を広めると共に、日本を含め、ファッションの教育現場や仕事の仕方に大きな影響を与えるものだったといいます。

デザインにおける「アントワープ感」とは、それは「パリっぽくはできない」ということであるといいます。フランスやイギリスに比べ特徴がなく、印象が弱いという劣等感や反発心があり、どうパリにアタックしていくか試行錯誤する必要から、何を強みとするかと考える思考法が「コンセプト」を第一とする教育現場にあり、それがデザイナーたちの特徴的な部分となったということです。作品もキラキラとファンタジーめいたものではなく、シュルレアリスムや超現実主義といったものがアントワープシックスの作品や、特にマルタンマルジェラのショーのスタイルにも現れました。これまでにない表現が業界にとって衝撃を与え、ファッションのあり方に疑問を提示するきっかけになったといいます。